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あたらしい本棚

最近、リビングにわたしの本棚ができた。リビングには大きな作り付けの棚があって、そこにわたしの本、子どもの本、文房具や、雑多なもの、書類、置物などなんでも置いていた。なかなかいい棚なのだけれど、奥行きがたっぷりしているものだから、本を入れると深すぎる。本もどんどん増えていくものだから、ついには三層に本を入れるようになって、奥の本はいったい何だったかわからなくなっていた。

 

そこで「本棚が欲しいなあ」と言ってみたら、本棚を家人が作ってくれることになった。置きたい本のサイズ、冊数、場所や、棚のイメージだけ伝えたらあとは大船になった気持ちでいよ、とのこと。あれやこれや条件や値段を比べて買い物をするのが苦手なわたしは、もうそれはただ楽しみなだけで本棚の完成を待った。

 

作る、とはいってもごく簡単なものだ。本を並べて出し入れしやすければよいので、レンガに板を載せたものを作ってもらった。幅や高さを慎重にきめて、一段の高さも計算をし、板をカットし、ペンキで塗る。自分でなにかをこしらえるのは楽しいものだが、自分のためにすてきなものを誰かがせっせと作ってくれるのを眺めるのはうれしい。

 

想像以上に素晴らしい本棚が、リビングの一角に据えられた。ぎゅうぎゅうにしまっていた本をみんな出してやって、本の上に溜まっていたほこりを払うと、本が息を吹き返したようだ。この本のとなりはこれ、この並びはこんな風にと本を並べていくのも楽しい。通りすがりに目についた本をひょいっと手に取り、そのままソファにごろりとするのも格別の贅沢な気分だ。そして本の、言葉の森のなかに深く潜っていくのだ。

 

〇風。そしてあなたがねむる数万の夜へわたしはシーツをかける  笹井宏之『てんとろり』