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好きなもの、嫌いなもの
仕事で家を空けると、家族に小さなおみやげを買いたくなる。
夫には「ありがとう、お疲れ様」で、子どもたちには「ありがとう、ただいま!」の気持ちをこめて。

我が家の子供たちは高校2年、小学3年、2歳だからかなり年が離れていて、限られた時間でそれぞれに喜ぶものを見つけるのは難しい。たいていはちょっとしたお菓子をお土産にして、みんなで食後に食べるのだが、たまには一人ずつに小さなものを贈ろうと思いついた。

時間もないから、百貨店の同じフロアでそれぞれコンパス、アリの巣観察キット、救急車のミニカーを選んだ。それそれワンコインくらいのささやかなものである。一番悩んだのが、長男のもの、次が次男、三男はもうすぐにこれと決めることができた。

そうだ、子どもというのはだんだんわからなくなる。2歳のころなど、うれしいも、かなしいも、もうそれは親の掌のなかでおさまるほどで笑わせることなどたやすいことだ。学校へ行き、外の世界へだんだん出ていくにつれて、親の他に世界はぐんぐん広がっていき、喜ばせたり、笑わせることが以前のように簡単にはいかなくなる。

まだ、唯一の切り札として変わらず喜ばせることができるのが、毎日のご飯だ。これを作ればだれが喜ぶ、とわかっているから、なるべく順繰りに、好物をつくったときにはことさらに「これ、あなたが好きだから特別に作ったよ」と言うことにしている。好きな音楽も、好きな本も、好きな洋服もよくわからなくなってきても、好きなごはんを作っている限り大丈夫、というように思っている。そしてそのころから、親子は小さいころとはまた違うつきあいかたを始めていくのだろう。

〇飯を炊き鍋をわかして家ぢゆうに湯気を満たしてあなたを待たう 美衣