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洗濯の師匠
 家事の中で、洗濯は好きなものの一つ。
晴れた日に洗い上げた洗濯物をずらっと干すと、かなりの満足感だ。
その日の洗濯物の分量と、お天気を見比べながら、
どれにもまんべんなく日が当たるように、風が抜けるように、
とくに分厚いものには注意しながら干していく。

近所にわたしがひそかに「洗濯の師匠」と呼んでいるお宅がある。
我が家から少し下っていったところの家なのだが、
そこの洗濯の干し方はなかなかにうつくしい。

二階屋のベランダに干されているそれは、洗濯物が多い日も少ない日も
スペースに対して均等に洗濯物がちりばめられて、
見事な均衡を保っている。
シーツやタオルケットなどの大きいものは、
乾きやすいように物干竿から三角に足れ下げられているが、
その三角すらきれいな同形にずらっとならんでいてため息が出るばかりだ。

洗濯物が乾きやすい日にはすかさず、敷布や毛布が干されていて
やっと乾くだろうかという曇りの日には少なめになっているから、
わたしはそこを通るたびになんとはなく、二階のベランダに目をやって
「今日の師匠の洗濯具合」を見せてもらうことにしている。

中学生の体操服、真ん中の子の半ズボン、赤ん坊のおしめ、と
洗い上がった洗濯物をせっせと干しながら、
ふと今日の師匠の洗濯具合はどうだろうかと気にかかる。
ことに、今日のような曇天の日には。

●通るたび青き毛布の干されゐる家の主を未だに知らず